雪・時々晴れ
-祥子へ-
別れてから色んな事、思い出してた。あんなに楽しかったのに、まさか別れる事になるなんて思えへんかった。
俺、ガキやったと思う。
祥子が怒るのもしょうがない。
愛とかよう解らんけど、大事に思う事なんやろ?俺、祥子に甘えててんやろうな。
今更もう無意味かもしれんけど、もっと大人になるわ。
今の仕事、覚えたら独立しようと思ってる。
その時は俺も少しは変われてると思うし、祥子も変わってしまうかもしれんけど、また連絡するわ。
-栄治-
(…また連絡か…解るけど…)
栄治の切ない想いは時間が解決してくれると思うようにした。
-日曜日-
水族館へ行く日がやって来た。
待ち合わせは会社の駐車場、女三人が集まっていた所へ坂井さんがSUV系の4WDでやってきた。
先輩二人はさっさと後部座席に乗り込んでしまった。私まで後部座席に座ると坂井さんに申し訳ないので助手席に座った。
水族館につくまでの間、坂井さんの車自慢や会社ネタで盛り上がった。
水族館に着いてからは、渡辺さんと加藤さんは子供のようにはしゃいでいた。その後ろから坂井さんと私は少し距離を開けて並んで歩いた。
「ねぇ佐伯さん、この魚、浜田さんに似てない?」
「チーフに?…おこられますよ~!」
坂井さんは浜田チーフがライバルというかお互い罵り合って楽しんでる風だった。
この魚…浜田チーフが坂井さんにからかわれて怒っている姿に似て無いでもない。
(しかしそう言ってる坂井さんも若干、魚顔なんだけどな…)
坂井さんは辛口の冗談を好んで言った。
一緒に居ると楽しかった。おかげで栄治の事は考えずに済んでいた。
「ねぇ~イルカと写真撮ろうよ~」
「悪乗りポーズ」
〔プールのガラスに隔てられていてもイルカに跨ろうとする加藤〕
「何それ!」
渡辺さんたちのノリは嫌いではなかった。
さすがに水族館に来てまでチーフの悪口は言わなかった。
帰り道で夕食を済ませ駐車場に着いた頃にはもう夜も更けていた。
別れてから色んな事、思い出してた。あんなに楽しかったのに、まさか別れる事になるなんて思えへんかった。
俺、ガキやったと思う。
祥子が怒るのもしょうがない。
愛とかよう解らんけど、大事に思う事なんやろ?俺、祥子に甘えててんやろうな。
今更もう無意味かもしれんけど、もっと大人になるわ。
今の仕事、覚えたら独立しようと思ってる。
その時は俺も少しは変われてると思うし、祥子も変わってしまうかもしれんけど、また連絡するわ。
-栄治-
(…また連絡か…解るけど…)
栄治の切ない想いは時間が解決してくれると思うようにした。
-日曜日-
水族館へ行く日がやって来た。
待ち合わせは会社の駐車場、女三人が集まっていた所へ坂井さんがSUV系の4WDでやってきた。
先輩二人はさっさと後部座席に乗り込んでしまった。私まで後部座席に座ると坂井さんに申し訳ないので助手席に座った。
水族館につくまでの間、坂井さんの車自慢や会社ネタで盛り上がった。
水族館に着いてからは、渡辺さんと加藤さんは子供のようにはしゃいでいた。その後ろから坂井さんと私は少し距離を開けて並んで歩いた。
「ねぇ佐伯さん、この魚、浜田さんに似てない?」
「チーフに?…おこられますよ~!」
坂井さんは浜田チーフがライバルというかお互い罵り合って楽しんでる風だった。
この魚…浜田チーフが坂井さんにからかわれて怒っている姿に似て無いでもない。
(しかしそう言ってる坂井さんも若干、魚顔なんだけどな…)
坂井さんは辛口の冗談を好んで言った。
一緒に居ると楽しかった。おかげで栄治の事は考えずに済んでいた。
「ねぇ~イルカと写真撮ろうよ~」
「悪乗りポーズ」
〔プールのガラスに隔てられていてもイルカに跨ろうとする加藤〕
「何それ!」
渡辺さんたちのノリは嫌いではなかった。
さすがに水族館に来てまでチーフの悪口は言わなかった。
帰り道で夕食を済ませ駐車場に着いた頃にはもう夜も更けていた。