雪・時々晴れ
片道一時間の道程を当然のように送ってくれる彼に又ゴメンねと言ってしまった。


「男が女の子を家まで送り届けるのってあたりまえだろ?」


「そ~なんや」


「今までどんな男と付き合ってたん?!」


「…う~ん、ま~大阪やから交通手段が多いし、チャリンコでダッシュで帰ればそんなに危なくないかな~って思うけど…」


「そんなの聞いてない。でも、もういいや。聞きたくねー」


「あ、別に自分が平気なだけで…」


「いいって。」


「何、も~」


「だって、しょうたろうは俺が初めての男だろ?」


「へ?何言ってんの?」


「今まで誰とも付き合ったことなんて無いでしょ!!」


「???え?」


「鈍いなも~。そうゆうことにしといて欲しいって事」


「あ~あ…そうそう君が初めて好きになった人や…」


「やっぱりな」


小田君はめちゃくちゃヤキモチ焼きな人だった。


ヤキモチを焼かれるとは思って居なかった私はキョトンとした。


「だいたい、もぅ大阪弁も使わないで欲しいくらいだよ」


「…何でよ…」


「なんとなく」


育った土地の言葉を否定されたみたいで、本当ならここは怒るところかもしれないが、それよりもこの人を失いたくない気持ちのほうが強かった。


この時にはピンと来なかったが、私が大阪弁で話すことで、私の想いや感情が彼には伝わらない時があって、それが凄く嫌だったのかもしれない。


(そういえば血液型占いでO型の人は独占欲が強いとか書いてあったな…)


私は同時に自分がAB型である事を呪った。


(相性あんまり良く無かったんじゃない?)


もう絶望的かもしれないとめちゃくちゃ悲しくなった。

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