雪・時々晴れ
「君だって大阪帰ったりしてたじゃん」


「何で知ってんの?」


「部長が言ってたよ」


「父さんか…お喋りやからな~…じゃあ…ま、いっか。」


「何がまいっかだ!都合悪くなったからって何も無かった事にしたろ今」


「別に都合悪くないけどあんまり聞きたくないかな~と思って終わらせてみたの!」


タバコに火を付けかけて止めた。


「禁煙車だったね」


「別にもーいいよ。ってゆーかマルボロじゃん」


「うん。真似してみました!」


「こんなキツイのやめときな~ってゆーかタバコをやめな!」


「うーん。女がタバコ吸うのって嫌な人?」


「そ~だな。鼻から煙出す女とか鼻に指突っ込んで投げ飛ばしたろか思うわ」


「はは。奥歯ガタガタいわしたろか!みたいな突っ込みやな」


「フッ」


「…禁煙できないかもしれんけど止める方向に考える」


「そーだよ。ちょっとづつ減らしてみたら?」


「うーん。頑張る。あ、これあげる」


マルボロのワンカートンを差し出した。


「なんで?」


「バレンタインデーやから。本当は明日やけど渡すチャンスが無いと思って」


「で?何でタバコなん?」


「なんとなくチョコとか甘いの苦手っぽいかな~と思って」


「正解。オイラ菓子はしょっぱいのがいい」


「なんか…じいちゃんみたい…」


「そーそー俺じじいみたいな奴なんさ。あの子もそー言ってた」


「あの子って誰ですか?」


「君の同僚で俺と仲良くなった高橋さん」


「意地悪な言い方するよね~」


「はは」


「さよなら」


「じゃさよなら」


「も~なんでなん!マユちゃんがいいんか?」


「い~や~。もう先週会った時沈めてきたよ」


「沈めてきた?」


「手と足をロープで括ってブクブクって…」


「…?あ~何か言ったんだ」


「もう復活できないほど酷い事言ってきた」


「…」
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