雪・時々晴れ
「何?今のマは。何か用意しとけよってか?」


「別に…そんなんじゃ無いよ。色々考えただけ」


「なんて考えた?」


「彼女じゃないしそりゃそうか…とか物が欲しい訳じゃ無いしなって」


「俺も考えて無いことはないんだよ。今はこんな事しかできない…てゆうかそーゆーことだ」


「うん。いいよ。充分嬉しいし。一緒に居れたらそれでいいねん」


「いいねん。…か。いいねんけど?」


「ちょっと寂しいかなって感じかな」


一瞬目線ををテーブルに向けて何か考えた後


「もうちょっと待っててね」と彼は言った。


頭の中では彼に嫌われない様にセリフを色々考えてる自分が居た。


彼は思ったまま口にしている様な気がする。私が計算したようなこと言うとキツイ一言が帰ってくる。


これからこの人を理解しなくてはならないのは大変そうだと思った。


それはまだ自分が恋愛に対してというか人間関係に未熟だからなのだろうか。


とりあえず「うん」としか言えなかった。


注文したメニューが運ばれてお決まりの様に無言で食べた。


時々「おいし~」とか言ってみるけど無視までは行かないがチラッと私の顔を見てまた無言で食べだす感じに少し喉が詰まる思いだった。


(食事の時のマナーかよ!とか言ったらめっちゃ嫌われんのかな…)


結局、聞きたいことは有るのにこの威圧感の前では一つも聞けないで居た。


(あかん…好きになった人がこーゆー人なんやからいつか絶対に聞かな…何で無言なんって)


そして又この質問は後回しにした。


他愛も無い話は、それはそれで楽しかった。


でも彼はこういった食事の場所では長居するのを嫌った。


少し話しただけで店は出て車の中で話した。
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