あまのじゃく






「だってー」

「だってー、じゃないのっ。痴話喧嘩してないで早く帰りなさい」

「ち、痴話喧嘩って」




顔が赤くなるのが分かる。




「アーカネちゃん、何照れてんのー?」




凌央があたしの首に抱きついて、笑いながらあたしの頬を突っつく。




「べ、別に照れてないもん」




…あぁ、噛んじゃった。
馬鹿にされる。


凌央が片手で顔を隠しながら笑いを堪えている。

…もちろん、奈都希も。


そんな二人にあたしは頬っぺたを膨らます。




「そ、そんなに笑わなくてもいいじゃん!」

「ふふ、可愛いなあ茜は。凌央くんのこと大好きだもんねー?」




にやにやと奈都希が笑う。




「…っ」




さっきより顔が赤くなる。

…奈都希の意地悪。
凌央の前でそんなこと言わなくてもいいじゃん。





< 6 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop