サクラ誘惑




にこにこ微笑みながら、紙を配り始める仮教師。


「悪い点数とったら、追試とか、補習とか考えてるから頑張れよー」


追試!?補習!?


その言葉に血の気が引くのが自分でもわかる。


嫌だ!絶対に嫌だ!


みんなもかなりのブーイング。


そんなみんなに大丈夫だ、なんて仮教師が言い出した。


「これは入試よりも凄く簡単な問題だ。普通にやれば大丈夫だ」


普通ってなんですかー!


開いた口が塞がらないまま仮教師を見ていると、バチッと目があってしまった。


「まぁ、相当なバカじゃなければ、な」


まるで私に言ってるように、にっこり微笑む仮教師。


うざーい!

むかつくんですけど!



こうなったら100点でも取ってやろうじゃないの!




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