華姫
ピピピ ピピピ ピピピ ピピバンッ!!!!
『うっせぇな…あ』
しまった。やってしまった。
私の枕元には、ただいま御臨終なされました目覚まし時計が。
『ぅわぁ~…ヤベ。これ27個目なのに』
学校指定のセーラー服に着替える。
階段を下りて、リビングに入った。
『母さ~ん』
「何?」
『目覚ましが逝った』
「は…?」
『目覚ましが逝った』
「あんた…」
母は叫んだ。
「あんた、また壊したの!!!?」
そりゃ叫ぶよね、27個目だったもんね。
用意されたパンをかじりながら言った。
『うん』
「信じらんない」
母は呆れた様子で言った。
『ごちそうさま』
席を立ち、洗面所に行く。
歯を磨き、顔を洗い、髪を結ぶ。
総長だけど、校則違反はしない。
『行ってきます』
「行ってらっしゃい」
私は学校へ向かった。