しゃぼん玉
地元なんか、帰れるわけないやん。
最悪の、場所。
良い思い出なんて、悪い思い出で全部かき消されてもうたわ。
「ハーちゃん♪」
ガチャッと屋上のドアが開き、奈々瀬ちゃんが顔を覗かせた。
ついにここまで来たか…。
「ねぇ、わたしたちと一緒に食べようよ!」
わたし“たち”?
よく見ると、奈々瀬ちゃんの後ろに3人が居た。
「てか、超空気気持ちいいんですけど!」
奈々瀬ちゃんを押しのけて、伸びをしながら夏穂ちゃんが歩いて来た。
夏穂ちゃんに続く、3人。