しゃぼん玉
無言でマンションまで歩き、部屋のリビングに入る5人。
一人暮らしって言うてもうたけど、みんなどう思ったんやろ?
脳内を渦巻くのは、こればっかり。
「救急セットとかある?」
「寝室のクローゼット…」
「取って来んべー」
「お風呂……、」
「あ、そうだよね!一人で入れる?」
あたしの呟きの途中で夏美ちゃんが聞いた。
「大丈夫」
あたしはバスルームに向かい、シャワーを浴びた。
消えろ。消えろ。消えろ。
流れろ。流れろ。流れろ。
血も、痛みも、傷も、
何もかも――