しゃぼん玉
「おやすいごようだべ!」
「これからも、どんどん頼っていいんだよ?」
「ハルになんかあったら、またぶっ飛ばすから!」
「これからは俺が守るから。」
優しくそう言って、あたしを抱き締める、温かい腕。
ほんのりと男らしい香水の香りがあたしを包む。
ねぇ、智也。
あたしは、この時から
あなたの虜やったよ。
あたしを包む、
優しい言葉も
温かい腕も
男らしい香水の香りも
全部、全部大好きやった。
でも……
あなたが見ていたのは、
あたしやなかったんやね。