しゃぼん玉
――放課後
図書室に着き、息を整える。
そして、思い切ってドアを開けた。
「あ、須藤。早かったな」
椅子に腰かけ、微笑む庄野。
「話って…?」
庄野の向かいに座り、目を見つめた。
「あのさ……」
心なしか、庄野の顔が赤い気がする。
「うん?」
「京都、俺と一緒に回ってくれねーか?」
思いもよらない言葉にあたしは声が出なくなった。
ドキッ!と心臓が跳ね上がる。
「だめか?」
「全然!あたしで良いなら、是非!」
あたしの答えに不安そうだった庄野の顔がほころびた。