しゃぼん玉
「ごめんな?アキくん」
色んな感情が混ざり合ったような、何とも言えへん表情をしてるアキくんに謝った。
「…智也、ハルに変なことしたら許さねえからな?」
また……
また、ハルって呼ばれた。
アキくんは普段、あたしのことを“すぅちゃん”って呼ぶのにたまに“ハル”って呼ぶ。
風邪で倒れたときや、襲われたとき。
なんでやろ?
気まぐれ?
……そんなワケないか。
「行くぞー、ハル」
「あ、うん!」
物思いにふけっていた、あたしは智也の声で現実に引き戻された。