きみのうた
「はははっ」
笑って誤魔化す。
泣きたい気持ちをはぐらかす。
「あれ?笹野璃乃じゃね?あいつ」
先輩の男子が近寄って来る。
屋上で寝てた先輩達だ。
「璃乃ちんに何か用ですか?」
友美があたしをかばう。
「お前、佐藤の彼氏奪ったんだろ?後輩にしてはいー度胸してんだね、アンタ」
「奪っていません。第一、あたしは無関係ですし」
「本当か?それ。佐藤が言ってたぞ。倉井って奴が毎回笹野璃乃って奴の名前を出して楽しそうに話してたって。佐藤が嫉妬してた」
「興味ありません。失礼します。智美、行こう」
「え?あ、うん」
智美を連れて屋上を出た。
あー頭ガンガンする。
教室に戻るとみんながお弁当を食べ始めたり食堂へ行ったりしてる。
「璃乃ちん、ご飯食べよー?」
「智美、先食べてて。あたし、ベランダで風に当たってくる」
「そ♪気を付けてね」
「あーいよ」
ベランダにはあたし1人しか居ない。
さっきより頭痛はヒドイ。
教室の中が見えるようにもたれる。
智美が美味しそうにご飯を食べてる。