きみのうた
「璃乃ちんのバカ・・。なんで落ちちゃうの・・?なんで・・なんで・・・」
「笹野、絶対起きろよ。佐々野を1人にすんなよ。絶対、ぜーったい生き返れよ」
「でも・・倉井が下に居たおかげでちょっとはクッションになったって・・医者の人も言ってたよ・・。よくあんなとこに居たね・・・」
たしかにあんなとこに居るのは不自然・・・。
あたしが落ちたしたの場所は滅多に生徒は入らない区域。
みんなからは『隔離場』として呼ばれてた。
そんな場所に居るなんて。
「あぁ・・。コイツの様子が変だったか。ちと気になってさ。教室のベランダの下に位置するあそこに居たんだ」
倉井君は・・気づいてたんだ・・・。
「え・・?倉井は璃乃ちんと話してたの・・?」
「あぁ。あいつ、体育館倉庫に閉じ込められて」
「はぁっ・・!?」
やばっ・・。
智美には何も言ってないんだった・・・。
「許さない!倉井、璃乃ちん見張っててね!」
「ちょっ、佐々野!」
智美は病室を出ていく音が聞こえた。
「はぁ・・・」
倉井君の溜息が聞こえたら、音が聞こえなくなった。
まさに異空間・・・?
「笹野・・、ごめんな・・・」
倉井君があたしの手を握る。