きみのうた
「智美ー!待ってよ!」
智美とは中学からの幼馴染。
智美がこの高校がいいって言ったからあたしの受験した。
「璃乃ちんが寝坊するからー!」
入学式当日、あたしは寝坊した。
「ちょっとー!あと5分!」
「智美・・先行って・・・」
あたしは急に立ち止まる。
「どうしたの?」
「肺・・痛い・・」
「ちょっと・・平気?」
「大丈夫・・。智美は先行って・・・。後であたしも走るから・・」
「気を付けてね・・?」
智美はそのまま走って行った。
「無理・・。もう死ぬ・・・」
そう呟いた時、隣に自転車が止まった。
見たら綺麗な目をした男の子。
同じ高校の制服だ。
「・・乗れよ」
後ろを指さす男の子。
「え・・?」
「遅刻、したい?」
「いや・・・」