きみのうた


「その・・付き合ってんだから・・名前で呼べよ・・・」

「・・・」

きっと倉井君の顔は真っ赤だろう。

「智哉・・?」

「そう。最初からこうすれば良かったよな」

ニッと笑うだろう倉井君。

・・じゃなくて智哉・・・。

慣れるまでにかなりの時間がかかりそう・・・。

「なあ、璃乃はいつから俺が好きだった?」

「えっ」

なんで急に・・。

「いつから?」

「・・智哉は?」

「えっ俺っ?」

聞き返してやる。

「うーん・・・。璃乃は覚えてるかな?入学式ん時」

「えっ」

嘘・・・一緒?

「璃乃が道端でうずくまってて、俺も遅刻してさ。それで一緒に学校乗せてって。俺チャリだったから2人乗りで。そん時に璃乃、可愛いなって思って・・」

「・・可愛い・・・?」

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