きみのうた
「一目惚れっていうかさ・・。でも夏帆に告られて・・。璃乃が好きって言ったら付き合わなかったらそいつ、ひどい目に遭わせるって言われて。そりゃ絶対嫌じゃん?だからしょうがなく付き合ってたわけよ」
「・・でも好きだったんでしょ?」
「まあ・・。でも璃乃が1番好きだったから。別れてすっきりしたって言うかさ」
「・・そっか」
嬉しそうに笑ってみせる。
「・・璃乃」
「うん?」
智哉があたしの頬に優しく触れる。
「キス、していい?」
「・・ん?」
え?何って?
「キス。していい?」
「・・・うん・・・」
あたしは目を閉じたまま、智哉に任せた。
もともと顔、見えないし・・・。
優しく、そっと唇が重なった。
「・・・あははっ」
「なんだよ、笑うなよ」
自然と笑い合う。
おでこ同士をくっつけ合って笑い合う。