きみのうた
3章
「学校、夏休み前には来いよ?」
「うーん。行かないよ」
おでこを離す。
「俺らが支えるから。大丈夫だよ」
「・・でも、もう智哉の制服姿見れないし。智美の笑顔が見えない」
あの笑顔があたしのお薬みたいなものだったから。
「そりゃそうだけどさ、話せるだろ?」
「え?」
話せる?
「目は見えなくても、話せる。いつか絶対目が見えるって信じてよーぜ。そしたらきっと叶うって。叶わなくても、思わないよりは希望が持てる」
「そうだけど・・・」
目が見えなくて・・・智哉に嫌われたら嫌だし・・・。
「目が見えないからって俺は璃乃を嫌ったりしないよ。璃乃には変わらないだろ」
「・・うん!」
「よし。お前が心配する気持ちはよく分かるし、お前の気持ちは俺らに言われても分からないけど。けどお前の表情で全部分かるから」
「・・あたし・・分かりやすい・・?」
「あぁ。表情に出やすいって言うかさ。思ってることは全部顔で出てるし」
「・・・そっか・・・」
「璃乃~!やっほ!」
紗綾ちゃんが部屋に入って来た。
「あれ??ラブラブ中じゃん!?」