きみのうた


「智美・・・」

あたしの手を握る温かい手。

「璃乃、お前・・生きて帰らなきゃ許さねえからな?」

「・・智哉・・・?」

「絶対・・夏休みに遊ぼうぜ」

「・・もちろんっ」

「では、行きますよ」

「じゃあね、2人とも」

「璃乃・・・っ」

繋がれた手が、ゆっくりと離された。

絶対・・生きて帰る・・・。

絶対・・・みんなと夏休みに遊びに行く・・・。

じゃないと嫌だ・・・。

「では、始めましょうか」

出頭医のひとの声。

「お願いします」

「では、始めます」

その声とともに、睡魔が来た。

智美・・・智哉・・・

意識を失った。

『生きたい』

そう強く胸に抱いて。

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