きみのうた
「大丈夫なのか?本当に」
「もちろん」
智哉がソファから腰を上げてあたしに近付く。
「やっと本当の璃乃に触れられる・・・」
優しくあたしの頬に触れる。
「智哉・・・?」
「璃乃・・・っ」
あたしを力強く抱きしめる。
「もう・・どこにも行かせないから・・・。1人で怪我してんじゃねえよ・・・」
更に力を加えられる。
智哉・・・。
「・・苦しいよ・・・」
「あっ、ごめんっ」
慌ててあたしから離れる。
「あははっ」
つい笑いが込み上げる。
「・・キスしていい?」
「・・・うん」
目を閉じた。
「璃乃・・・」
「璃乃ー!夏休み、海行っていい!?」
「うおっ!?」
慌てて顔を離れる。