きみのうた


「璃乃ちーん?」

「え?」

ふいに顔を上げると智美があたしの顔を覗き込んでいた。

「倉井に言っといてくれたー?」

「あ、うん。言っといたよ」

「あー、ありがとー♪」

またまた倉井君の席に座る智美。

「智美、また怒られるよー?」

「えー?平気だよー♪」

足をパタパタし始める智美。

「はぁ・・・」

ついつい溜息が出ちゃうよ・・・。

「佐々野ー!」

先生があたし達を呼んでる。

「どっちの?」

智美が近付く先生にだるそうに聞く。

「佐々野智美、お前だ。仕事をサボるんじゃない」

「げっ・・・」

智美・・・。

どんまいとしか言えません。

「璃乃ちーん・・。放課後待っててねー・・」

「はいはい」

ははっと笑いながら答える。

「もう超憂鬱~・・」

一気に智美のテンションが消えてく。



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