きみのうた
「じゃあ待っててねー・・」
「早く終わらせてきなよ~」
放課後になる、殆どのクラスメートは帰ってく中、智美のテンションはやはり低い。
まあたまには低くなきゃね。
1人になった教室で夕日を眺めてる。
キレー・・・。
「あれ?笹野、何してんの?」
「へっ?」
振り返ると倉井君が頭をかきながらあくびをしてる。
「智美待ち~」
あははっと笑って見せる。
「あぁ。さっき見たわ。職員室でこっぴどく怒られてた」
「あははっ。智美らしいね」
鞄から飴を出して倉井君に投げる。
「あげる。友達から貰ったんだけど、あたしあまり甘いもの好きじゃないから・・」
「そ。じゃあ遠慮なく貰うわ」
飴を口に放り込む。
「倉井君は何してたの?」
「んー。秘密」
あたしの前の席に座って夕日を一緒に眺める。
夕日がいい感じに倉井君を照らす。
・・カッコいい・・。
「璃乃ちーん・・。やっと終わったよー・・」
そこに智美が帰って来た。
「あれ、倉井も一緒なんじゃん」
「おー。じゃあ俺、帰るわ。飴、ありがとな」
倉井君は立ち上がって、手を振って帰った。