こんなに好きなのにっ!!
ふざけんじゃねぇよ…。



やっと吹っ切れたのに。



琴里だけを見るって決めたのに!!



かき乱すな…。



あの時の感情を…。



蓋をしてカギかけて捨てただろ。



俺が好きなのは琴里だ。



ユナなんかただの幼なじみ…。



ふざけんな…。



「お待たせっ!!」

「おせぇよ!!行くぞ!!」

「おぉ…」

「倉市、見つかったのか?」

「いや、琴里に会ったから託した…」

「どうなの、ソレ…」



琴里はどう思っただろう…。



あの時の俺、どう見られただろう…。



再発したモヤモヤを引き連れて上がったステージの上。



楽しんで思い出作りのはずが、ユナと琴里が気になって上の空だった…。



「気持ちいぃぃぃ~!!」

「やっぱりライブ、最高だね」

「祥太郎、音外すし!!」



なんなんだよ…。



ユナのせいで乗り遅れたじゃねぇか…。



どうしてくれんだ。



あのバカ…。



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