こんなに好きなのにっ!!
しゃべらないでくれ。



我慢しているものが爆発しそうだから。



「悠都~!!」

「マッピー…」

「めっちゃ走ったっ!!俺走った!!」

「ユナ、マッピー」

「久しぶり!!で…」



さっき倉市と一緒にいた女をユナが紹介していた。



俺はこの場にいたくなくて…。



「このまま打ち上げ行く?祥太郎んちだけど」

「いいんですかぁ!?ユナも一緒なら行きます!!」

「来るよな、倉市。ユナユナ連れて来るよなぁ?」



こう見えて怖い先輩で通ってるマッピーがユナと倉市としーちゃんと呼ばれる女を打ち上げに誘ってしまった。



逃げたい、帰りたい…。



やめろ…頭が痛くなる…。



それ以上に痛いのは…張り裂けそうな胸だ。



「楽しそうだね、悠都」

「そう…だな…」

「悠…都…?」



捨てたはずの気持ちは、あんな些細な行動で俺の手元に戻ってきてしまった。



最悪なことに、閉めたはずのカギが開いていて。



なんの仕打ちだと、神を呪いたくなった。



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