こんなに好きなのにっ!!
電話を渡されて耳にあてると聞こえてきたママの声。



「悠ちゃんに迷惑かけちゃダメよ?」

「うん」

「羽目外しすぎないでね?」

「わかった」



やっぱり悠ちゃんの信用は堅い。



ママも悠ちゃんだからこんなにあっさりOKしたんだと思う。



電話を切ってから悠ちゃんに笑顔を向けた。



「じゃ、俺トイレ」

「あたしもトイレ!!」



ふたりで階段を下りて先にトイレに入った。



またリオ君ちにお泊まりか…。



この前みたいな雰囲気になったらどうしよう…。



「おせぇよ~…。漏らしたらどうすんの?」

「お漏らしは風君の特技だよ?悠ちゃんはしっかりしてるから大丈夫」

「しっかりなんてしたことねぇんだけどなぁ~…」



悠ちゃんが出て来るまでしばらく待った。



あんまりあの部屋に戻りたくないな…。



あたしはこういう雰囲気が苦手らしい。



「待ってたのかよ」

「うん、部屋が多くて間違えそうだったから」

「どんだけ方向オンチ?」



悠ちゃん、あたしを連れて帰ってよ…。



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