こんなに好きなのにっ!!
悠ちゃんはあんなキスをするんだ…。



あたしの知ってる悠ちゃんじゃない…。



なんで意地悪言ったの?



なんであんなこと言った後に…平気で琴里さんとキスするの?



悠ちゃんを誰にも取られたくない独占欲が生まれた瞬間だった…。



だけど…あたしはバカ。



悠ちゃんが彼女の琴里さんにキスなんて当たり前なのに。



悠ちゃんは琴里さんを好きなんだから。



「あれ?祥太郎の友達?どうかした?」

「お水を…いただきたくて…」

「水?ちょっと待ってね」



リビングにいたのは祥太郎先輩のお兄さんだった。



先輩とは違う落ち着いた大人の雰囲気…。



両親は旅行中でいないんだって言ってたっけ…。



「浮かない顔してるね」

「そう…ですか?」

「うん、祥太郎になんかされたんなら俺がお仕置きしてやるよ?」

「ち、違います!!大丈夫…です…」

「ならいいけど。はい、お水」

「ありがとうございます…」



苦しい…。



悠ちゃんの顔、見たくない…。



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