こんなに好きなのにっ!!
ボフッと横から風君のお尻に蹴りを入れたのは1つ年上の悠ちゃん。



風君のお兄ちゃんであたしの幼なじみ。



「逃げてんじゃねぇよ」

「いてぇな!!早いモノ勝ちだろ!!」



どうやら悠ちゃんもゴミ出し任務を任されてしまったらしい。



風君が逃げたせいで悠ちゃんがゴミを任されたもよう。



「おはよう」

「ゴミの方がデカくねぇか?」

「悠ちゃんまでっ!!バカバカバカ…」

「拗ねた?」

「うん…」

「ガキだな」



1つしか違わないくせにぃ~!!



悠ちゃんと風君とは物心ついた時から一緒。



風君によく泣かされた記憶はあるけど、悠ちゃんに泣かされた記憶は全くない。



学校ではほとんど話したりしない。



学年が違うとそれぞれ友達も違うから。



悠ちゃんと同じ高校に入り、不安なあたしは昨日悠ちゃんに話しかけようとした。



だけど悠ちゃんの周りにはたくさん先輩がいて。



もちろん女の人も。



悠ちゃんは昔から輪の中心で笑っている。



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