こんなに好きなのにっ!!
昔から悠ちゃんはあたしを引っ張ってくれた。



後ろからついて行くのはあたしと風君。



幼稚園の時、イジメられて泣いたあたしのためにケンカしたのも悠ちゃん。



あたしにとって悠ちゃんは頼りになるお兄ちゃんみたいな人。



「あっ、ユナ。来月母ちゃん達旅行に行くからメシつくってやれよ」

「へっ?」

「俺は適当に夜遊びしてくっから。悠都のメシ」

「なんであたしが!?」

「得意だろ」



悠ちゃんを見ると風君を睨んでるようで。



余計なことを言うなとでも言ってるみたい。



返事もしないままエレベーターは1階についてしまった。



「じゃあな!!」

「クソ~…」



風君は飛び出して学校へ向かい、残されたあたしと悠ちゃんはゴミ捨て場へ向かった。



なんか昨日から悠ちゃんが変だ。



妙におとなしい。



「悠ちゃん?」

「ん?」

「なんかあったの?」

「なんもねぇよ。ほら、よこせ」

「ありがと…」



悠ちゃん、なんかおかしい…。



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