こんなに好きなのにっ!!
ゴクゴクとお茶を飲み干した風君は立ち上がってキッチンに向かった。



「俺、悠都がユナで遊ぶとは思えねぇよ」

「えっ?」

「何よりもユナを大事にしてた悠都が。少し考えたら分かるんじゃねぇの?」

「…………」

「俺は口出す気はねぇよ?でも…ユナ次第なんじゃねぇの?」



今まであたしをイジメてばっかりだった風君が大人っぽく見えた。



話してよかったかも…。



ありがとう、風君…。



「風君は好きな子いるの?」

「なんでユナに教えなきゃなんねぇんだよ」

「気になるじゃん」

「誰にも言わねぇって約束できるなら教えてやる」

「言わないっ!!」

「付き合ってる、人妻と…」

「へっ!?」

「なんか…疲れて来たんだけど。人妻って言ってもまだ21。でも…不倫なんかするもんじゃねぇよな」



風君の衝撃の告白はあたしの悩みより重い気がした。



だからさっきの風君の言葉が心に響いたのかもしれないと感じ…。



切なくて苦しそうに語る風君を強いと思った。




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