こんなに好きなのにっ!!
ある程度疲れてくれたらこっちのもん。



相性は格段にいいわけで、終われば口数も減る。



バイトを減らし、俺といる時間を作った琴里。



友達の誘いも断り、琴里に会う日々…。



本当に疲れてきた…。



「悠都~…」

「ん?」

「ギュッてして?眠い…」



眠る前に抱きしめる。



いつまでこんなことを続けなきゃならないんだろう…。



落ちてしまった沼からは光りすら見えない。



琴里が眠ったことを確認したらテーブルの上にあるメモ用紙に置き手紙。



あの日、別れを切り出した時に初めて置き手紙を残したのが琴里のお気に入りになってしまったため。



『起こすの可哀想だから帰るな』



それだけ。



でも琴里は喜ぶ。



大事そうにコルクボードに貼られたメモ用紙はこれで4枚目。



甘い言葉は残せない…。



残しちゃいけない気がして…。



琴里が起きたら電話が来る。



寝る前も必ず電話。



息が詰まりそうだ…。




< 142 / 301 >

この作品をシェア

pagetop