こんなに好きなのにっ!!
同好会は予算の関係で週に2回が限度。



だから活動しない日の方が多い。



心臓バクバクで待った放課後、やってきたのは最近髪を茶色から黒に戻した悠ちゃん…。



「名前書けよ…」

「やっぱりわかんなかった!?」

「字でわかったけど。まさかお前ひとりで活動?」

「ち、違うよ!!一応6人いるもん」

「へぇ~」



近づいてきた悠ちゃんがイスを引き出して目の前に座った。



悠ちゃんの匂いがする…。



中学から変わらない香水の匂い…。



コレが欲しくてワガママ言った記憶があるなぁ…。



「で、この呼び出しは?」

「あの…悠ちゃんに言いたいことがあって…」

「うん」

「だから…好きで…す…」

「うん」

「聞いてる?」

「うん」



優しい顔で『うん』しか言わない。



まだ時間が必要なの?



あたしは悠ちゃんのそばにいたいのに…。



「ユナ」

「なに…」

「チビ」

「知ってるもん…」

「俺はユナの中でちゃんと男になれてんの?」



顔を上げて必死に頷いた。




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