こんなに好きなのにっ!!
名前も知らないちょっと怖い感じの人と一緒にこっちに向かって歩いてきた。



「200円貸してくんね?」

「200円?いいけど…」

「俺もコイツもデカいのしかなくて、自販機釣り切れで困ってたとこ」

「そっか、ちょっと待ってね」



珍しいことだと思う。



あたしと悠ちゃんが学校で話してること。



「はい、200円」

「帰ったら返すから」

「うん」

「じゃあな」



手を振って悠ちゃんを見送ると、突き刺さったのはみんなの視線だった。



痛いくらいキラッキラの目で見られてる!!



「どんな関係!?」

「カッコイイじゃん!!先輩!?」

「お兄ちゃんとか!?」



し、質問攻めっ!?



悠ちゃん…カッコイイって言われてるよ!!



悠ちゃんを誉められたのに少し嬉しくなるあたしがいる。



「幼なじみ…」

「恋に発展しないの!?あんなにカッコよくて!!」

「カッコイイの…かな?昔からいるから麻痺してるかも」

「「羨まし~」」



悠ちゃんをカッコイイという感覚は持ち合わせていないあたし…。



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