こんなに好きなのにっ!!
辿り着いたマンション。



ふたりだけのエレベーター。



「学校行く時、ユナんち迎えに行くから」

「待ってる!!」

「早くふたりになりてぇなぁ…」

「どうして?」

「どんだけ我慢してるかわかる?いろんなこと」

「当分…お預けで…」

「やっぱり内緒にしとけばよかったぁ~!!」



離れたくない。



繋いだ手を離したくない…。



隣の隣に住んでるのに…。



それでもバイバイは寂しいよ。



エレベーターが止まり、ドアが開いた。



グッと引かれた腕に必死でついて行くと、そこは非常階段へ繋がるドアの前。



少しだけ死角になる場所…。



「前言撤回。やっぱわかってねぇわ、俺」

「なにを!?」

「お前の気持ち」



食べられちゃいそうなキスは頭を真っ白にしてくれた。



誰かに見られてしまうかもしれないドキドキと、嗅ぎ慣れた悠ちゃんの匂い。



「ユナが思ってるほど優しい悠ちゃんじゃないらしい」

「なっ!?」

「早く家ん中入れよ。じゃあな」



実は悠ちゃんって…羊の皮を被った狼だったのかもしれない…。



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