こんなに好きなのにっ!!
靴を履き替えてユナと一緒に歩く帰り道。



暗くなるのが早くて、そして寒い。



「倉市と話した」

「えっ…」

「アイツ、スゲーいいヤツだな。やっぱり俺ってダメ男」

「そんなことないよ!!悠ちゃんはダメじゃない…」

「ありがと」



倉市から奪ったようなもんだ。



ユナのこと、ちゃんと幸せにしねぇと…。



「バイトでも探すかな。ヒマさえあればよからぬこと考えちゃうし」

「なんのバイト?」

「わかんね。来年は受験生なわけだし。今しかねぇじゃん?」

「あたしもバイトしたいなぁ…」



こうして俺はバイトを探し始めた。



将来、なりたいものは特にない。



それなりに生きていければいいと思ってるし、好きな英語を生かせたら~、くらいにしか思ってないから。



バイトはなんだっていいと思い、探し始めること4日。



「京(キョウ)がバイト探してるって」

「京兄んとこってバーじゃん」

「時給は高いぞ」

「雇ってくれんならやる!!」



親父の友達のバーで働けることになった。



< 185 / 301 >

この作品をシェア

pagetop