こんなに好きなのにっ!!
1000円で出て行ってやると言われ、2000円を渡した。



「当分帰ってくんな」

「魂胆見え見え…。エロ兄貴」



うるせぇ…。



俺だって限界なんだよ。



「風君出かけるの?」

「出かけるの~。頑張れよ、ユナ」

「なにを?」

「…………悠都、可哀想」



やっと作ったふたりの空間。



まずユナが持ってきたパウンドケーキを食いながらコーヒーを飲んだ。



腹は減ってない。



部屋に連れて行きたい…。



「どっかいきてぇの?」

「ううん?」

「そうかそうか」

「悠ちゃん?」



さりげなく部屋に戻ったつもりなんだけど…。



ダメか?



「おいで」

「あっ!!この本の続き読んでいい!?」

「ユナ」

「本…」

「来いって」



赤い顔でやって来たユナを腕の中に閉じこめた。



わかってんじゃん、俺が考えてること。



ベッドの上で鳴り出したケータイはシカト。



膝の上に乗せたユナにキスしまくって。



もう無理だから。



「電話がっ…」

「後でかけ直せ」

「でもっ」



ユナのケータイもシカトだ。



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