こんなに好きなのにっ!!
母ちゃんにメールを入れ忘れてたことに気づき、『メシいらない』それだけ入れた。



事前に報告しないと親父に怒られるから…。



「悠都君って好きな子とかいい感じの人いる?」

「いねぇよ~」

「よかった~!!あっ…」



わかりやすいヤツだな。



顔は美人な方だと思う。



ダチの話では性格も悪くないと。



だけど注文したモノが届いた時、ユナを思い出した。



それは昔ユナが作ってくれたエビピラフと目の前のエビピラフが被ったから。



「悠都君?食べないの?」

「食う食う。いただきます」



味気ないエビピラフは俺の満たされない感情をさらに強くした気がした。



無性にユナに会いたくなってしまったから…。



だけどそんなこと、絶対認めたくないわけで。



「なぁ、付き合ってみねぇ?」

「えっ…?悠都君と…?」

「うん」



無理矢理出した偽りの言葉。



きっとユナ離れの時期なんだと自分に言い聞かせた。



< 26 / 301 >

この作品をシェア

pagetop