こんなに好きなのにっ!!
そして次の日も、その次の日も。



1週間経ってもユナには彼女が出来たことを言えずにいる。



「悠都、長谷川さんちにこれ持ってって」

「自分で行けよ…」

「よし、お前メシ抜き」

「わかったよ…」



母ちゃんから預かったケーキの箱を持って『長谷川』の表札の下を押した。



うちと同じインターホンの音が聞こえ、出てきたのはユナ。



この1週間、朝は早めに出て、帰りも会わないようにしていた。



家にいたらユナに会うから、俺は彼女の元へ足を運び。



1週間ぶりだ…。



「どうしたの?」

「母ちゃんから」

「ケーキ!?やった!!あがって!!」

「ん…」



断るのもおかしなこと。



いつも、昔からこうだ。



どっちかの家に行ったら帰ってこない。



それをどちらかの母ちゃんが迎えに来るまで遊んでる。



これが俺たちの定番になってる。



「長谷川さんは?」

「自治会長さんのとこに行くって!!なんか役員になっちゃったみたいだよ」

「へぇ~」



久しぶりにユナの家に来た気がする…。



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