こんなに好きなのにっ!!
止まらない、止められない…。



だけど喉で詰まっていたモノがキレイに消えたような感じ。



クローゼットの扉に押さえつけたユナの体。



肉なんかない、骨の感覚…。



華奢だ。



「いつまで幼なじみやってんだよ…」

「な…に…それ…」

「俺だって男だ」

「離してっ!!痛いってば!!」



逃げらんねぇよな?



これが俺とお前の違いなんだ。



「何歳まで続ける気なんだよ」

「意味わかんないよっ!!悠ちゃん最近おかしいっ」

「お前のせいだろ!!お互い成長してるって気づかねぇの?いつまでもガキだと思うな」

「…………」



我に返ったのは、久しぶりに見るユナの涙のせいだった。



だけどもう…賽は投げられた。



後戻りなんて出来るわけがない。



「もう部屋に入れねぇし入る気もねぇ。俺はユナを妹だなんて思えねぇから」

「どんなっ…意味なのっ?」

「自分で考えろ…」



鈍くて気づかないユナに、思ってること全ては話せなかった。



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