こんなに好きなのにっ!!
あの日から何をするにも気力が湧かない。



実際、今の俺はユナのことで頭がいっぱいだ。



ケガした時、泣いたんじゃねぇかって。



スゲー痛い思いしたんじゃねぇかって…。



今すぐユナんとこに行ってケガがどの程度なのか確認したいのに…。



あんなことしてユナを泣かせた俺が、のこのこ見舞いになんて行けるはずもねぇ。



「バカみてぇ…」



こんな思いするなら、ずっと幼なじみでよかった…。



ケガしたら飛んでって『大丈夫か?』って言って…。



泣かなかったら『偉かったな』って、頭を撫でてやりたい…。



俺がいつもユナにしていたことは…いったいなんだったんだろう…。



兄として妹の心配をしていたのかもしれない。



家族未満、親友以上の存在で、どちらかと言えば家族愛に似ていたのかも。



あの、ユナが『女』に見えてしまった日に戻れるなら…。



俺は間違いなくユナを突き放したりはしなかった。



後悔したところで、この淀んだ沼に落ちてる俺の役に立つだけだけどな…。



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