こんなに好きなのにっ!!
次の日、朝から待ち合わせした駅へ急いだ。



休日にリオ君に会うのは初めてで。



私服姿だと学校で見るよりもカッコよく見える。



「ごめん!!遅れた?」

「5分早い」

「リオ君早すぎ~…」

「よし、どこ行く?」



水族館にでも行ってみようということになり、バスに乗ってやってきた。



入館料、あたしも出すけど…?



「カッコつけさせて」

「はい…」

「行こ!!」



やっぱりリオ君は包容力のある人だ…。



当たり前のように差し出された手に躊躇した。



だけどリオ君は手を引っ込めるわけでもなく、目を逸らさず。



自然に体が動いた。



あたしよりも大きな手を握り、魔法みたいだと心の中で思う。



繋いだ手から熱が体中に回る。



心がフワフワ浮いてるみたい…。



「長谷川!!見て!!俺好きなんだよな、フグ」

「小さくてカワイイ~!!パタパタ飛んでるみたい!!」

「長谷川に似てる」

「どこが!?なんかひどい!!」

「いつも必死じゃん。体育中の長谷川」



正直、楽しい…。



< 56 / 301 >

この作品をシェア

pagetop