こんなに好きなのにっ!!
だけど理解はあって、やりたいことはやらせてくれる。



泣いて帰れば優しく抱きしめてくれた。



甘やかされた記憶はそんなにないけど、親父も母ちゃんも一生懸命だったんだと思う。



「風都、今年は受験生なんだからね」

「高校なんか別に行かなくていい」

「ブァカ言ってんじゃねぇ。高校ぐらい出なさい」



母ちゃんは俺たちを育てるために精神的に強くなったと、昔誰かに言っていた。



多少荒い言葉遣いは、男が多いこの家庭で仕方なく身についたモノだと思うのだ。



『うっせんだボケ』『クソガキ』『家から追い出されてぇかコラ』



よく言われてた言葉だ…。



そしてひっぱたかれることもしばしば。



究極に悪いことをしたときだけのことだけど。



だから俺はそんなに曲がらずに育ったんだと思うわけで。



一応優しさは持ち合わせてると思う。



「悠都の担任、去年と同じでしょ?あの小言が多くてめんどくせぇヤツ」

「そうそう、すでに家庭訪問の日程渡されたから」

「マジめんどくさっ…。家庭訪問ってなに話せばいいの~」



母ちゃんは嫌いじゃない。



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