こんなに好きなのにっ!!
言葉が見つからない…。



頭が真っ白だ…。



「悠ちゃ…夏川先輩…」

「前のままでいいって」

「じゃあ悠ちゃん…」

「うん…」

「顔色よくないね」

「そんなことねぇよ?」

「いつもそうやってムリするから。それで酷くなっちゃうんでしょ?」



さすがわかってる…。



長年一緒にいた感覚はお互い抜けないらしい。



「前みたいにっては思わないから…」

「ん…」

「普通でいたい…。悠ちゃんと縁を切ることは考えられないよ…」

「ごめんな…」

「ううん、悠ちゃんの言った意味はちゃんと理解したもん」



『悠ちゃんは間違ってないよ』



やっぱり好きだ。



この小さい頭も、華奢な体も…。



クリッとした目と小さい唇…。



ガキみたいな手は器用に料理を作る。



その高い声も、笑った顔も…。



俺のもんにしてぇな…。



「悠ちゃんの彼女さん、キレイな人だね~」

「そうか?普通だって」

「大人っぽいし憧れちゃうよね~」



そんな話しすんな…。



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