こんなに好きなのにっ!!
お前の口から琴里の話しなんか聞きたくない…。



「ユナの彼氏、昨日一緒に帰ってんの見た」

「えっ!?」

「いいヤツっぽいじゃん。噂では」

「噂…?」

「ユナがあんな目立つヤツと付き合うとは思ってなかった~」

「あたしも…思ってなかった…」



悪い噂は聞かない。



中学ん時は多少悪かったらしいけど性格はいいと。



俺が口出していいものじゃない…。



「あっ!!もうすぐテストだね!!」

「まだ先じゃね?」

「高校って勉強難しいんだもん」



徐々に心がユナで満たされている。



胃の辺りが熱い…。



過去形に出来そうもない俺のこの気持ち。



せっかく気づけたのに隠さなきゃいけない辛さ…。



気付かなきゃよかったのに。



違うか、気付いてたけど認めなきゃよかったんだ。



俺のバカ…。



「ユナ頭いいから大丈夫だろ」

「そんなことなっ…」

「マツゲ、願い事して?」

「もうそんな歳じゃない…」

「だな…」



マツゲが抜けたら願い事するんだって言ってたユナはもういない…。



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