こんなに好きなのにっ!!
【ユナ】



ジャージのズボンを膝までまくり、長袖は腰に巻かれている。



黒のTシャツが暑いみたいで襟元をパタパタやってる。



「ニヤケすぎ」

「えっ!?」

「あんたねぇ…、そんな顔リオに見られたらどうすんの…」



無意識だった。



校内で見かけた悠ちゃんにニヤケてる…。



「確かにカッコイイけどさ…」

「違うよ!?別に…仲直りしたからってわけじゃないもん…」

「ねぇ、本当は夏川先輩が好きなんじゃないの?」

「悠ちゃんは好きになっちゃいけない人だもん…」



絶対ダメ。



悠ちゃんには彼女がいて、きっと幸せだから…。



それにあたしはリオ君と恋をするって決めたんだ。



「素直になってる?」

「いいの!!あたしも大人になったんだよ」

「ユナがいいならいいんだけど」



悠ちゃんは幼なじみだ。



ただの幼なじみ。



よく言えばいいお兄ちゃん。



そんな関係でいいの。



「あっ、リオ君!!」

「腹減ったぁ~…」



同好会は仲良し4人しかいない。



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