こんなに好きなのにっ!!
このふたりはどんな出会いをして、なんで家族になったんだろう。



いつから母ちゃんを女だと意識して、親父は結婚したんだろう…。



俺にはわからない感覚だと、ソファーに座って両親の姿を眺めた。



「悠都、学校どうだ?」

「フツー」

「友達と仲良くしてふざけてりゃ勉強なんかしなくていいんだぞ~」

「聞き飽きた」



親父の口癖。



勉強よりも大事なことを学生生活で探せと。



それは一生の宝になり、自分の財産だって言っている。



見てて羨ましいくらい、親父は自由で明るい。



「悠都、邪魔」

「あ!?」

「ゲームするから退けろよ」



クソ生意気な弟は基本的に相手にしない。



少し距離を開け、ソファーの下に座った風都の後頭部を眺めた。



「なぁ、風都って彼女いんの?」

「なんで悠都に言わなきゃなんねぇの?関係ねぇじゃん」



お前は兄である俺を確実に慕ってねぇな…。



お前より年上だぞボケ!!



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