こんなに好きなのにっ!!
無意識にギュッと握った拳が痛いことに気づき力を緩めた。



俺の大事だったユナに手を出した男…。



自業自得だとわかっていても言いようのない嫉妬が芽生える。



イライラが治まらない…。



「わりぃ、彼女んとこ寄ってくんだった」

「そうなの?気をつけてね~」



そんな予定なんかなかった。



だけどこの苛立ちは家に帰っても治まりそうにない。



「いらっしゃいませ~」

「琴里」

「悠都君!?えっ!?恥ずかし…」

「何時あがり?」

「9時だけど…」

「待ってていい?ってか今日どっか泊まんね?」

「いいよ!!親に連絡しとく!!でもまだ時間あるけど…」

「向かいのファミレスで時間潰しとく」



嬉しそうな琴里。



苛立ちを隠す俺…。



『今日は帰りません』



母ちゃんにメールを入れて準備はできた。



ドリンクバーで2時間半、ケータイのゲームも飽きてきた…。



「悠都君!!お待たせ!!」

「腹減ってんならなんか食ったら?」

「悠都君は?」

「俺はさっき食ったから」



食欲なんか全くない。



< 86 / 301 >

この作品をシェア

pagetop