こんなに好きなのにっ!!
グラタンを食ってる琴里を見ながら30分、ファミレスを出て向かった先はやっぱりラブホ。



家に琴里を泊めるなんて母ちゃんが許さない。



だからここに来た。



「初めて来た…」

「マジ?」

「うわぁ~、ベッド丸くないね…」

「どんなイメージだよ」

「お風呂広い!!トイレキレイだね!!ホテルと変わんないんだ…」



部屋なんかどうでもいい。



それよりも…。



「お風呂入ってからがいい…」

「気にしなくていいって」

「ヤダよぉ~…。一応女の子なんだよ?」

「じゃあ一緒に入る?」

「暗くしていいなら…」



俺が欲しいのはたぶん温もり。



そしてさっきの苛立ちの矛先…。



やっぱり最低だ…。



一緒に入った風呂でも俺の気持ちは焦ってる。



早く…ベッド行かねぇ?



「先出る」

「悠都君…?」

「ん?」

「あたしは…体だけ?」

「…………ごめん、ガッツキすぎてる」

「違うよ!?ただ…ううん、なんでもない!!」



ごめん、琴里…。



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