こんなに好きなのにっ!!
そしてある日の帰り道、またあのふたりに出くわした。



「ユナ、倉市」

「おぉ!!先輩!!」

「テスト前にデートはヤバくね~?」

「これでもそれなりに頭いいっスよ?先輩の方がバカっぽいじゃないスか~」

「残念~、前回学年23位ナメんなよ」

「微妙にいいっていう中途半端な順位っ!!」

「お前生意気っ!!」



なんとも思わない。



胸が痛くならない。



それは俺がちゃんと琴里を好きだからだろ?



「悠ちゃんご機嫌だね」

「まぁな!!」

「いいことあったの?」

「最近彼女がヤバいくらいカワイイとか?」

「のろけ!?」

「ははっ!!マジだけどな」



これでいいんだ。



ユナとの仲に亀裂も入らない。



倉市だって客観的に見ればカワイイ後輩だ。



そして琴里、俺が好きな女は俺のことが大好きらしいし。



「見てみたいっスね、自慢の彼女」

「夏フェス出っから見に来いよ、ふたりで」

「マジスか!?絶対行く!!」



本当にバイバイだな、ユナ…。



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