親友だったキミに恋した
綺麗な血……





そんなことを思いながら、持っていたハンカチを旭の頬にあてた。






「わりぃな……」




「ううん」






旭、今どんな気持ち?





普通じゃないよね?






どうすればいいのかな




こんな時……





「旭‥ホント、ごめん」







「……で謝んだよ」






塀に全体重をかけるようにもたれた旭





俯きながら






血色のいい唇を噛み締めて………






頬にハンカチを当てることしかできない私




かける言葉さえ見当たらず、沈黙はつづく





哀れな深井クン







この言葉が、どれだけ人を傷つけるか知らないけれど、相当なんだと思う。





聞いていた方まで






辛かったんだもん……
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