親友だったキミに恋した
野崎に殴られた痛みよりも、杏を庇うことが出来たという何かが

喜ばしい事で




貶されていても






何一つ






感じることはなかった。





いや、感じないようにしていただけなのかもしれない






殴られた頬に


謝りながらハンカチをあててくれる杏




謝んなよ





俺が勝手に殴られたんだから






杏が謝ったら






庇った意味がなくなる






沈黙の中



杏は聞いてきた





「美亜ちゃんのこと、愛してる?」





「あぁ…愛してる」






嘘ではない





今も彼女だし





愛してねぇと





やってられねぇし
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